昔にどうにも腑に落ちないことがありました。内容は事実上の首切りといってもいい方法。これが実に秀逸だったので記事にしておこうと備忘録も兼ねて書いていきます。
ぼくはちょっと特殊な福祉系の営業をやってました。この特殊な営業のことは又、後日に書きます。今現在も会社は違いますが同じ仕事をしています。ここまで書けば携わっている人は分かるとは思います(笑)
どういったことが起こったか。小さい会社なので営業はぼくと後輩の二人だけ。あとは補助というか細かいところをカバーしてくれるパートさんが二人。それと社長と経理一人という会社です。
ノルマではないですが、目標はあります。営業の成績は、目標を達成することもあれば出来ないこともある。もちろん後輩よりも成績はよかったです。
ある日、今後どうしていくのかを仕事が終わってからミーティングするという話がありました。その日までの1週間に、どうやって売り上げをあげるか考えておくように言われた訳です。
目標の設定や、どうやって営業をしていくかなど事前に考えて当日を迎えました。
就業時間は9時〜18時で、いつも終礼が18時から。当然、残業はつきません。強制残業になるのなら普通付けるべきだとは思うのですがね。それはさておき、開始は終礼が終わってから。
誘導尋問?経営者の戦略
めずらしく早く終礼が終わって、18時30分から一人づつ話す訳です。社長とマンツーマンで。今後どうやって営業していくかという話。色々と案を出して、「〜やっていく」「〜の資料を作って〜」とか何個か言ったんです。
社長「それだけじゃ売上が上がると思えない」
って一蹴でした。目に見えるところじゃないと納得出来ないと言われたんですよね。目に見えるってことは数字ってことでしょう。そこでぼくは、目標の数字「月間100%」に向けてやっていきますと言いました。納得出来ないと。
社長「今までその目標でやって来て達成出来ていないのに、同じ数字の目標で達成出来る訳がない」
って話をしてくる。ぼくはずっと営業をしてきて数字は常に意識していますよ。数字を意識していないと思われてたんでしょうね。そこで高い目標を設定しろと言わんばかり。
社長「んで、どうするの?」
この後、沈黙というか無言の時間が流れます。あくまで体感なので実際は短いかもしれないですけど、おそらく5分〜10分くらい。どうやって営業をしていくかの話でも、この無言の時間は度々訪れてました。
こうなると高い目標設定で言うしかありませんよね。誰でもそうするでしょう。
ぼく「月間の120%アップ目標でやります」
社長「その数字じゃ納得出来ない」
は?意味が分かりません。ここでおなじみの無言の時間が続きます。そしてのらりくらりと、たわいもない話をされて、んでどうするの?と。
ぼく「150%目標で」
目標をアップした金額を言うしかないですよね。
社長「じゃあ達成出来なかったらどうするの?」
はい来ましたー。って思いましたよ。もうね予想通り。
ぼく「どうするって言われても、それ目標でやります」
合わせて、どうやって営業していくかも話しました。こういうしかないですよ。そこからは何言っても無言と意味不明な話をされ続けてました。
新規開拓って簡単じゃない
売上は、目標の100%突破するのも年に半分くらいで、目標に行かないときはだいたい60%くらいの達成率なんですよ。それは特殊な営業の形態のせいなんですが、営業先には上限が決められているんですよね。それがいっぱいになっていると、仕事が出せないんです。
単純に営業先を増やさないといけなくなる。ようは新規開拓ということです。新規開拓って普通に考えて1ヶ月で出来ると思いますか?よっぽど何も知らない新規事業所が立ち上がったならあり得ますが、すでに立ち上がっている事業所に割って入って仕事をもらうってハードルは高いですよ。
はい、もうあなたは分かりましたよね?ぼくが何を言わないといけないのか。ここまでですでに2時間くらい経ってます。20時30分くらいですね。
ぼくもそりゃ分かってますよ。ある言葉を言うだけでいいってことは。でもね、分かってたから言いたくなかったんです。すでにムカついてましたしねー。これって普通に【軟禁】で間違いないですよね?
言いたくなかったので、こっから30分くらい平行線をやってましたよ(笑)もうね最後はアホらしくなってきて言いましたよ。
ぼく「達成出来なければ辞めます」
ってね。言った途端。分かったといって「がんばってください。お疲れ様でした」だってさ。アホすぎて鼻で笑ってしまった。このあとに後輩にも同じ話をすると言ってました。どうなることやら。
達成できるはずもない目標設定に意味があるのか
そして結果はどうだったかって?どうあがいても無理なのは誰がみても分かる数字。やる気が出るはずもないですよね。3週間経過したところで150%目標の数値の半分くらいでした。あと1週間で倍はいくはずもない。なのでこの時点で目標にどうやってもいかないので辞めますって言いましたよ。
そうして辞める日は決まりました。終わりが決まったので有休消化をするために残っている有休、といっても一日も使ってないので上限いっぱいありました。ですが有休を全部使い切ると残った日数では引き継ぎが出来ないと言われたんです。
当然の権利だろと主張しましたが、それは無理の一点張り。買い取ってといったんですが無理。結局は7日ほど捨てることに。あーアホらしー。
あと、びっくりしたのが辞めると発表したときに、社長からパートさんへの説明には起業をするから辞めるって言ってました。後輩にも。
後輩にも説明・・・?なんか違和感がありました。その日の仕事終わりに、
後輩から「めいたくさんは本当のところ何で辞めるんですか?」
って聞かれたんです。あー違和感の原因はコレかって思いました。そうです後輩にも同じ話をするって言ってしていなかったんですね。呆れてなんも言えねー・・・でした。
この話を相方や親友に話をしたら、年齢じゃないかと言われて納得。後輩は10才という年の差があって給与はぼくより少ない。社長が言ったことを忠実にしてて自分で考えてほぼ動かない。社長のコマなので使い易いってことに落ち着きました。
後日、パートさんに聞かれたときは本当のこと言ったら、同じこと言ってましたね。感じてたことは間違いじゃなかったんですねぇ。
まとめ
「こっちが考えて言ったことに対して、すべて否定。普通は『〜ってやってみれば?』とか提案があってもおかしくないはず。それがないってことは、ぼくが考えた案とかどうでもよかったってこと。社長自身が思っている方向にいくことしか話は進まない出来レース」
こういうストーリーを考えて社員を体良く辞めさせることが出来ることの証明になりましたね。テンプレートの出来上がりです!
ゆるくいこー。
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